分類:その他

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2026.01.03
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2026.01.02
2026.01.01
2026.01.01

画像認識AIが出した結果は

なるかみこ@narukamiko

俺は地方の大学で画像認識AIの研究をしている大学院生。ゼミのテーマは「自動分類と誤認識の境界について」。要するに、AIが“何を人間と認識し、何をそうでないと判断するか”を研究している。

ある日、論文用のサンプルを増やすため、大学近くの住宅街を自作のポータブルカメラで歩いていた。そのカメラには、リアルタイムで被写体を認識・分類する機能があり、人・車・動物・看板・自転車など、種類別に色分けされて記録される。

自動で撮られた画像には、左上に必ず“認識結果”が表示される仕組みだった。研究室に戻り、撮影した画像を確認していたとき、ひとつだけ妙な画像があった。


なるかみこ@narukamiko

夕方の路地。誰もいないはずの写真。だが、画像にはうっすらと“人影のようなもの”が写っていて、AIの分類結果がこう表示されていた。

【分類:その他(信頼度:98%)】

“その他”という分類は通常、認識できない物体のときに使われる仮のラベルだ。しかし、信頼度98%というのは異常に高い。

「……なんだこれ」

俺は他の画像も調べた。すると、同じ場所を別日に撮影した写真にも、まったく同じ“人影”が写っていた。時間帯も、光の加減も違うのに、姿勢までまったく同じだった。まるで、そこに“ずっと何かがいる”かのように。気になって、その“その他”が写っていた路地へ向かった。


なるかみこ@narukamiko

人通りのない細い道。確かに写真と同じ電柱、民家の壁、街灯があった。でも、そこには何もいない。肉眼では、ただの夕方の風景だ。だが、持参したカメラで撮影してみると――

【分類:その他(信頼度:99%)】

しかも、今回は“影”が少しこちらを向いているように見えた。背筋に冷たいものが走る。大学に戻り、これまでの分類ログを洗ってみた。

すると、半年以上前から、同じ分類コード【その他】が、何度も出現していたことがわかった。しかもその出現場所を地図上にプロットしてみると、あることに気づいた。全ての出現地点が、“事故死”のあった場所と一致していた。


なるかみこ@narukamiko

通学路の交差点、老人が転倒した階段下、そして、あの路地は――2年前に女子高生がひき逃げされた場所だった。俺は震えながらも、研究室の同僚・橘に相談した。

「これ……分類エラーとかじゃないよな?」「AIだけが見えてる存在ってこと?」

橘は笑っていたが、次の瞬間、あることに気づいて顔を真っ青にした。「おい、この写真……お前の後ろにも“写ってる”ぞ」振り返ったが、誰もいない。でも、写真の俺の肩のすぐ後ろに、ぼやけた“顔のようなもの”が写っていた。

【分類:その他(信頼度:100%)】


なるかみこ@narukamiko

橘が俺の肩を掴んで言った。

「やばいって。これ、近づいてきてるだろ」「分類“できない”から“その他”なんじゃなくて――分類“しないようにしてる”んじゃないか?」

俺たちは、試しにその“その他”の顔を強調するようにAIを再学習させてみた。すると、画像が1枚処理されるたびに、出力された音声が自動生成されるようになった。小さな、ノイズ交じりの音。最初は意味をなさなかったが、10枚目の画像で、明らかに“日本語の声”が再生された。

「わたしを みたね」「そっち に いくよ」


なるかみこ@narukamiko

それ以降、研究室のAIは“その他”を区別し始めた。それまで「分類:その他」とだけ表示されていたものが、徐々に変化していった。

最初に現れたのは、【分類:ヒト?(信頼度:72%)】次に、【分類:たぶんヒト(信頼度:83%)】最終的に、【分類:名前:ナシ(信頼度:98%)】

“それ”に、分類名=「名前」が与えられた瞬間だった。それと同時に、画像の中の“顔”はどんどん明瞭になっていった。ぼやけた影が、表情を持ち始め、服装、肌の質感、髪の流れまで再現される。

そして最後の1枚には、はっきりとした女の顔が、俺の真後ろに写っていた。

【名前:あなた(確定)】


なるかみこ@narukamiko

その瞬間、研究室の照明が一斉に消えた。非常灯の赤い光だけが、薄暗く空間を照らしていた。PCのモニターにだけ、黒い画面が浮かんでいた。そこにはこう書かれていた。

「あなたに なれました」「もう “分類”しなくて いいね」「つぎは だれ?」

翌朝、橘は行方不明になった。防犯カメラには、誰も写っていなかった。ただ、研究室のPCには最後にひとつだけ新しいログが残っていた。

分類結果:【名前:たちばな(確定)】【ステータス:同化完了】


なるかみこ@narukamiko

それから1週間後。俺がいつものようにカメラを構えて歩いていると、知らない通行人が話しかけてきた。

「それ、すごいっすね。自動分類できるんでしょ? 今の俺、なんて出てます?」

俺はカメラの画面を確認した。その人間のラベルは、こうだった。

【分類:その他(信頼度:99%)】

……今度は、そいつの番だ。


ななし@K9A3F2Q

“その他”って分類がじわじわ明確になってくのめっちゃ怖かった…じつは正体隠してる系…


ななし@0Z7mE8L


ななし@W5C1R6T


ななし@HJ4N2Y9

橘の「同化完了」の表現、地味に最高に気持ち悪かった。SF系ホラーの完成形かよ


ななし@qX8D0B7

結局、“その他”っていう仮カテゴリにいたのが人間の真似始めて、こっちに混ざろうとしてたのか…

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