引越し先にいた、隣の部屋の住人は
なるかみこ@narukami
田辺貴志(たなべ たかし)は、転勤で地方都市に引っ越した。紹介されたアパートは築年数の割に家賃が安く、大家からも「長く住んでくれたら助かるよ」と歓迎された。間取りは1DK、風呂・トイレ別、やや古いが不自由はない。問題があるとすれば、一つだけ。
隣の部屋の住人について、誰も何も言わない。最初は気にしていなかったが、時折、壁越しに妙な音がする。ガリガリと引っかくような音や、誰かが独り言を繰り返しているような小声。一度、挨拶でもしようとチャイムを鳴らしたが、反応はなかった。代わりに、ポストの名前の欄に白紙の紙が貼ってあるのに気づいた。
なるかみこ@narukami
「無記名って珍しいな」と思ったが、近所の住人に聞いても「…あの部屋?空室じゃないですかね」とはぐらかされる。数日後、夜中に誰かが壁をノックしてきた。「コン…コン…コン…コン」
一定のリズムで、何度も。気味が悪くなって壁越しに「すみません、やめてもらえますか」と声をかけると、一瞬、静かになった。
だが――「……きこえてる、きこえてる……」という声が、壁の中から返ってきた。
なるかみこ@narukami
翌日、管理会社に苦情を入れると、「え?隣、今も空室ですけど」と言われた。
念のためポストを確認すると、無記名だったはずの白紙がこう書き換えられていた。
『田辺貴志 様』自分の名前。
焦って部屋に戻ると、玄関の内側に「すでにいます」のメモが落ちていた。
その日の夜、壁越しではなく、押入れの中からノック音がした。
ななし@g6ZtM9u0
普通にゾッとしたわ……
こういう「部屋の中に侵食されていく」タイプってマジで嫌い
押入れのノックとか、精神削られる系じゃん
ななし@yB3fKqjL
途中まで「よくある隣人ネタかなー」と思って読んでたけど、
名前がポストに書かれてたとこで背筋ヒュッてなった
しかも白紙から書き換わるとか、完全に向こうが認識してるの怖すぎる
ななし@mv7LXiJ9
管理会社の「空室ですけど」って言うやつ、地味に一番怖い
これパターン的に、「入れ替え系」だよな?
そのうち田辺って名前の人、2人になって片方消えるやつじゃん
ななし@J2uVdfc4
これ系の話読むたびに引っ越す気なくなるわw
鏡とかポストとか、“自分が自分じゃなくなる兆候”がリアルすぎて無理
しかも現代っぽいのが余計に怖い
ななし@Thw0Rxp7
オチが押入れってのが効いてるなー
玄関とかトイレとかじゃなく、“本来こっちが隠れる場所”から来るのズルい
これ読み終わってから押入れ開けたくなくなった


