立入禁止の防波堤に何かがいた
なるかみこ@narukamiko
その防波堤は、地元では「立入禁止」になっていた。理由は単純で、老朽化と転落事故が多いからだ。だが、夜になるとなぜか人がいると噂されていた。
俺がそれを見たのは、終電を逃して海沿いを歩いて帰っていたときだった。波止場の街灯はまばらで、
防波堤の先は闇に沈んでいる。その闇の中に、ぽつんと立つ人影が見えた。
なるかみこ@narukamiko
釣り人かと思ったが、竿もバケツもない。ただ、海を向いたまま立っている。近づくにつれて、おかしなことに気づいた。距離が縮まらない。
歩いても歩いても、人影との間隔が変わらないのだ。波の音だけが、やけに近い。ふと足元を見ると、防波堤のコンクリートに濡れた足跡が続いていた。
全部、海側からこちらへ向かっている。だが、途中で途切れている。その瞬間、人影がゆっくり振り返った。顔は見えない。だが、確かに俺を見ていた。
「そこ、まだ来る場所じゃない」
なるかみこ@narukamiko
声は風と波に混じって聞こえた。次の瞬間、背後で「ザブン」と音がした。振り返ると、誰かが海から上がってきた形跡がある。濡れたコンクリート。新しい足跡。
一人分じゃない。
再び前を見ると、さっきまで一人だった人影の横にもう一人立っていた。同じ姿勢。同じ向き。頭の中で、直感が叫んだ。
「数を数えるな」
なるかみこ@narukamiko
だが、視界の端でさらに人影が増えていくのが分かった。防波堤の先に、等間隔で並ぶ影。「まだ戻れる」最初の声が言った。「でも、数を間違えたら」「次は、こっち」
俺は一気に走った。背後で波音に混じって、足音が増えていく。一つ、二つ、三つ数えないようにしても、増えているのが分かる。
なるかみこ@narukamiko
気づけば、防波堤の入口に立っていた。振り返ると、そこには誰もいない。ただ、立入禁止の看板の下に小さく文字が書き足されていた。
「※夜間、人数確認をしないこと」翌朝、ニュースで小さく報道されていた。「昨夜、 防波堤付近で行方不明者1名」映像に映った防波堤の先には、人影が二つ並んでいた。
ななし@Q8sP2L
防波堤+夜は鉄板だけど、
人数増えるのは反則級に怖い
ななし@A9F0Kd
「数を数えるな」って言われると
逆に意識しちゃうよな…
ななし@R3Nw7X
足音増える描写ゾワっとした
後ろ振り返れなくなるやつ
ななし@Lm5ZPq
注意書きが後付けされてるの好き
昔から犠牲者出てる感じある
ななし@T8dV4A
最後のニュース映像で二人立ってるの、
次の“呼ぶ側”になってる感あって後味悪い


